このアの世界が分かりますと、自分の生命の根源が「ア」ということ、広い々々宇宙が自分の心の住処だと自覚しますと、自分だけが住んでいるのではなくて、あいつも住んでいるということが分かります。
心はどの人間も心の根源は同じ根っこから出てくる、ただ枝葉として違うだけ。禅語では「我と汝同根、また奇特なり」と申します。奇特と申しますのは「有り難い」と言うことです。
「お前と俺は同じ根っこから出ている兄弟なんだ、なんて有り難いことだ、兄弟なのに何でそんなに諍って戦争したり、喧嘩したり、殴り合いしたりするんだ。止めようじゃないか」ということに気がつく、これは素晴らしいこと。
言霊学講話「禊祓」(H16年5月・会報192-01)