2019年06月20日

言霊 壁・方便の世のための神

 では事実はどうだったのでしょうか。
 太古以来日本の国は精神の原理であります言霊五十音布斗麻邇の原理をバックボーンとして建国され、その原理によって日本語を作り、文明を創造して来ました。

政治の最高責任者である天皇は五十音言霊の原理の現実的な自覚者(霊知り)でありました。その精神文明華やかな時代を古事記・日本書紀は神代と表現しました。言霊の法則によって得られた政治の最高原理の精神構造を天照大神と呼びました。

 「形而上を道(みち)といい、形而下を器(うつわ)という」とあります。精神的な政治・道徳の規範(かがみ)を天照大神と呼び、それを器物として表徴したものが八咫(やた)の鏡です。

「その時まで天照大神を天皇と同じ宮殿に祭っていた」というのは、天皇御自身が五十音言霊による人間の精神構造を知っている覚者であり、その原理によって実際に政治を行う責任者であったという事を意味しています。

 ですからその天皇が自覚していらっしゃった原理としての天照大神を天皇の御座所から離し、笠縫の村に遷し祭ったということは、五十音言霊の原理を政治の運用法として活用することを止め、ただ信仰礼拝の対象の神としてだけ残して、日本国家の精神文明のバックボーンとしての生きた原理は社会の表面意識から隠してしまった事を意味するのです。

【収載】会報第五十六号(平成五年二月)

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2019年06月19日

言霊 壁・神として祭られたのは・・・

 その事について日本書紀の第十代崇神天皇の章に明らかに示されています。
「是より先に、天照大神・倭大国魂(やまとおおくにたま)、二(ふたはしら)の神を、天皇の大殿(みあらか)の内に並祭(いわいまつ)る。然して其の神の勢を畏(おそ)りて、共に住みたまうに安からず、故(かれ)、天照大神を以っては、豊鋤入姫命(とよすきいりひめ)に託けまつりて、倭(やまと)の笠縫邑(かさぬいのむら)に祭る、よりて磯堅城(しかたぎ)の神籬(ひもろぎ)を立つ、……」
 右の日本書紀の文章を分り易く要約しますと次のようになります。その時まで天照大神と(大国魂神)を天皇の御座所にお祭りしてきましたが、神様の勢いの強すぎるのをおそれ、神と天皇が一緒にお住みになることが出来ず、神様を宮中より出して笠縫の村に御祭神としてお祭りした」というのです。

 一般に神様をお祭りする、といえば、今迄尊いとも何とも思わなかったものの尊さを知り、それを尊び神社を造って御祭神としてお祭りすることを言います。けれど日本書紀にある崇神天皇の「神として祭った」という行為はそれとは全く違った意味なのです。

その真の意味内容について日本書紀の作者は殊更にはっきりとは書きませんでした。ですから後世の、そして現代の国学者や神道家は単に「それまで宮中にお祭りしてあった天照大神を笠縫の村に遷宮した」と、いとも簡単に解釈したに違いありません。けれど事実はその解釈とは途方もなく違ったものでありました。

言霊学の立場から素直に日本書紀を読みますと、その意味の違いが明らかに見てとれることになります。

【収載】会報第五十六号(平成五年二月)

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2019年06月18日

言霊 壁・何時から出来て作られたのか

心の中の時間の壁はどうして出来たのか、を人類の歴史の上で説明することの出来る方法は、また心の中の空間の壁は何処にあるのかを人間の心の構造の内部にしっかりと指し示すことの出来る方法がただ一つだけあるのです。それが言霊の学問です。

 これから言霊学によって現代人の心の中の壁に光を当て、その正体を明らかにし、心の中から壁を取り除いて、現代人が考えたこともない、時間と空間の自由な天地に遊ぶことが出来る道を考えることにしましょう。

 先ず人間の心の中の時間と空間の壁は何時出来たのでしょう。どのようにして作られたのでしょうか。

 壁は人類の初めから存在していたのではありません。心の時間の壁も空間の壁も同時に、日本の歴史の流れの中の或る時点によって日本人の、そして人類の人々の心の中に構築されたのです。

「そんな事があるのかな」と不審に思われるかも知れませんが、全くまぎれもない事実なのです。それは何か、何時のことか──

【収載】会報第五十六号(平成五年二月)

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2019年06月17日

言霊 壁・時間と空間の正体

人間と全くかけ離れて、しかも絶大な力を持つ神、という立場を強調することによって、神社の繁栄をはかることのみに熱心です。

神は御利益を与えるもの、人は御利益を頂くもの、と区別をはっきりすることは、神と人との間の壁を更に強固にするばかりではありませんか。

 歴史学や考古学が現代と神代との間の時間の壁をこわす事が出来ず、宗教が神と人との間の空間の壁を更に厚く固いものにするばかりだとしたら、既存の全ての手段は「壁」に関する解決法とはなり得ないことになります。

現在の歴史学に頼らず、宗教にすがらずに人間の時間と空間の壁の正体を探る方法は何処にあるのでしょうか。

 現代人の心にわだかまっている壁が何であるかをはっきりと認識する方法がただ一つだけあります。

【収載】会報第五十六号(平成五年二月)

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2019年06月16日

言霊 壁・信じ拝む対象

 現代の歴史学は過去の旧い文献の研究や遺跡の発掘などによって古代がどんな時代であったか、を解明しようとしています。

その歴史学の実証主義的な研究はそれなりの成果は挙げています。けれど日本の古代を探る現代の歴史学の研究の前に大手を広げて立ちふさがっている壁の存在に人の心も全く変わりないと思い込んで、現代人の心をもって古代のことを推理してしまうのです。

現代人の心の中にある壁に気付かぬ限り、歴史学が日本の古代の様相を明らかにすることは百年河清をまつに等しく不可能と言うより他はありません。

 神社神道が興って現代まで二千年の歳月が経ちました。正月や神社の祭日などには神への参拝者は跡を絶ちません。けれどそれら神社への参拝者の心はすべて御利益信仰です。

家内安全・商売繁昌・受験合格等々、多かれ少なか御利益ほしさの参拝です。壁の向うにいらっしゃる神に御利益を与えて下さるよう頭を下げます。参拝者だけではありません。神社の側でも御利益を宣伝して参拝者の数を増すことに専念しているように見受けられます。

【収載】会報第五十六号(平成五年二月)

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2019年06月15日

言霊 壁・神様、仏様

 次に現代人の心の中の空間の壁の話に移りましょう。
 心の中の時間といえば、個人的には生まれた時から今迄の生活や経験の記憶の流れといったものが考えられるでしょう。民族的には神代といわれる古代から現代までの歴史が考えられます。それなら心の中の空間とは何なのでしょうか。

時間を歴史の流れと見るならば、空間とは現在にある全てのものが占める心の広がりと解釈することが出来ます。少々分り難い言葉かも知れません。例を挙げて話を進めることにします。

 たとえば現代人の心の広がりの中にある二つのもの、神と人との関係について考えて見ましょう。今の世の中の人々にとって、神を信ずる、信じないに関係なく、神様というものは人から見えないもの、触ることも理屈で考えることも出来ないもの、ということでしょう。

ですから神様とは人間にとってただ信じることが出来るものと言うことになります。人間の五官感覚ではとらえることが出来ないが、信仰する人にとっては、完全に存在するもの、ということになります。哲学的に言うと超越的存在と呼びます。

つづき
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2019年06月14日

言霊 壁・想像上のユートピア

 確かに古代には現代が誇る機械文明はなかったでしょう。自動車も飛行機もロケットもなかったでしょう。しかし我々が誇る科学技術とは趣を異にした精神文化の華が古代には咲いていました。それこそ現代人が夢にも思うことのない精神の深みの中に古代人は生き、心の法則を自覚し、活用していたのです。

 このように書きましても、現代の人々は「昔にそんな事もあったのかなあ......」とは思っても、その実感と確信は到底起っては来ないでしょう。それは現代と古代との間に、二・三千年という時間の壁が存在するからです。

 日本のみならず世界の各民族には古代の神話が伝えられています。そしてそれ等の神話は例外なく大昔に精神的に豊かで平和な仕合わせな世の中があったことを伝えています。

けれども現代人の多くはそんな精神的に豊かな平和の方の時代が真に歴史的な事実だったのだ、とは到底思えず、単なる祖先のユートピア的物語位にしか思わないのです。それは何故でしょう。

現代人と古代人との間に越え難い心の壁、時代の壁があるためであります。現代の人々はその心の壁にさえぎられて、壁の向こうの古代の人々との心の交流が出来ず、ただ想像することによってのみ繋っているに過ぎないのです。

【収載】会報第五十六号(平成五年二月)

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2019年06月13日

言霊 壁・現代人の迷信

 「現代人の心の中には時間の壁と空間の壁という二つの壁があります。人間の心はこの二つの壁の中に閉じ込められて、まことに不自由との上ない生活を余儀なくさせられているのですが、不自由な生活も長い間続きますと、自然にそれに馴れて不自自とも何とも感じないようになってしまうものです。

その結果、現代人は壁の向うに何があるのか、勿論、自分の中の壁の存在すら意識出来なくなっています。では壁とはどんなものなのでしょうか。

 先ず時間の壁から考えてみましょう。
 近代科学技術は人類にまことに便利で華麗な社会をもたらしました。宇宙に人工衛星が飛び、地球上の交通・通信手段の発達は目覚ましく、何処に居ても地球上の出来事を即刻知ることが出来ます。地上数百階の建築も可能になりました。

こうした科学技術の発達は現代社会の生活を一段と向上させましたが、同時に私達人間に一つの大きな迷信を植え付けたように見えます。

「二千年・三千年以前の我々の祖先は穴を掘ってその中で生活をしていた位だから、文化は発達しておらず、知性のない野蛮な生活であったのだ」という通念です。ですからたまに古墳の発掘で美しい色彩の絵などが見つかると、全く考えてもみなかったかのように驚嘆してしまうのです。

【収載】会報第五十六号(平成五年二月)

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2019年06月12日

言霊 日本語について・日本人のアイデンティティ

物質構造の先天の学である原子物理学が創始されたのは明治時代であった。その同じ時代に精神構造の先験の学である言霊フトマニが再び人間の意識に蘇ってきたことは、人類の文明創造の歴史が大きな生命意志の一筋の流れの現われであることを示すものとして興味深いことである。

 私達日本人が日常何の屈託なく話している日本語が以上述べたような構造と変遷の歴史を持っていることを知る人はまことに少ない。

しかし将来物質構造の解明と並行して人間精神の構造の研究が進む時、その研究の仕方は如何に多様であっても、突き止め得られた心の最小因子の真実を何の概念説明もなく直截簡明にずばりと表現する方法はアイウエオ五十音言霊以外に存在し得ないことに世界が気付く時もそう遠い将来ではあるまい。

日本語はあらゆる意味で精神的には勿論又将来科学真理(例えばコンピュータ)との結び付きに於ても素晴らしい言葉なのであることを日本人に知って頂きたいものである。そのことが日本人が最も日本的なものを知り同時に世界の中での真の役割を知る道なのである。

つづき
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2019年06月11日

言霊 日本語について・岩戸開き

この社会を指導する基準は言霊ウ・オ・アの次元(欲望・悟性・感情)の三性能のみであり、人間の最も霊妙な性能言霊エ・イ(英智と生命意志の原理)は人間の自覚から完全に埋没した。従ってその原理によって制定された日本語のルーツも日本人の脳裏から忘れられたのであった。

 生存競争社会の現出による物質文明創造促進の政策は成功した。人類は三千年の努力により現在見られる如き物質科学の成果を手にする事が出来た。

人類の第二の文明である物質文明の華は咲いたわけである。それは同時に三千年間人間の意識から隠没されていた第一の文明である精神文明の心髄言霊フトマニが人類の自覚の表面に再び浮かび出るべき時である。

そうでなければ人類生命の調和は保つことが出来ない。幸い近代に入り先ず始めに言霊の原理に気付かれたのは明治天皇であった。

天皇は言葉の誠の道として側近と共に研究され、以来現在まで古事記・日本書紀を基礎とした言霊の解明は進み、当会報で示す如くその精神即言葉の原理の全貌を世の人に呈示する事が出来るまでになった。

【収載】会報第三号(昭和六十三年九月)

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